レディース検診

当クリニックの婦人科健診、乳がん検診は、すべて女性医師・スタッフが実施いたします。
(内視鏡検査、医師問診、結果説明は男性医師の場合がございます)
2024年4月より、水曜午前中の健康診断は女性受診者限定のレディースデーとなりました。

婦人科検診について

婦人科検診とは、子宮頸がんをはじめ、子宮筋腫、卵巣のう腫などの病気がないかを調べるものです。具体的には、内診、経腟超音波検査、子宮頸がん検査(子宮頸部細胞診、HPV検査)などを実施します。

2019年の全国がん登録罹患データによると女性の生涯の全がんの罹患率は51.2%です。これは2人に1人はがんになるということです。このなかで子宮がんは29人に1人の割合、卵巣がんは62人に1人の割合で罹患しています。

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染により発症することが多く、がんになる前の状態(前がん病変)を何年か経てがんになることが知られており、早期に発見し、早期に治療を受けることにより、治る可能性が高くなります。そのため定期的に婦人科検診を受けることが大切です。

検診では、まず医師が問診をし、内診台に上がっていただきます。膣鏡診(子宮頸部の観察)をおこない、続いて細胞診(子宮頸部の細胞を、細いブラシや綿棒等で採取し、異常な細胞がないかを顕微鏡で調べる検査)をおこないます。

ご希望により、経腟超音波検査、HPV検査、性感染症検査(カンジダ、トリコモナス、淋菌、クラミジア)を追加できるほか、将来、妊娠・出産を考えている女性を対象にしたブライダルセットは初めての婦人科検診としてもおすすめです。

婦人科検診には「恥ずかしい」「痛そう」「怖い」などのイメージがあり、行かなくてはと思っていてもなかなか足を運びにくいものです。当院の婦人科検診は、皆さまのそのようなご不安を少しでも和らげるため、経験豊かな女性医師・女性スタッフが担当し、リラックスして検査を受けていただけるように努めております。

当院では、婦人科検診を通じて女性の生涯にわたる健康をサポートし、女性ならではの体調の変化やお悩みに寄り添ってまいります。ご不安やお悩みなどありましたら、些細と思われることでもお気兼ねなくスタッフにお申し付けください。

当院でできる婦人科検査

セット名 検査項目 説明 料金
子宮頸部細胞診 子宮頸部細胞診(医師採取) 子宮頸部の細胞を採取し、前がん状態、子宮頸がんリスクの有無を調べます。 ¥5,500
経膣超音波 骨盤内の状態や腫瘍の有無などを調べます。 ¥4,400
HPVウイルス検査 HPV 子宮頸がんの原因ウイルスに感染しているかを調べます。 ¥4,950
ブライダル① 子宮細胞診(医師採取)・経膣超音波・HPV・カンジダ・トリコモナス・淋菌・クラミジア・風疹抗体・麻疹抗体・HBs抗原・HBs抗体・HCV抗体・HIV 子宮、卵巣の疾患の早期発見を目指した項目をはじめ、妊娠や出産に影響を与える病気をもっていないかどうかなどを調べます。結婚後の方にもお勧めです。初めての婦人科検診としてもおすすめします。ブライダル①は、妊娠中、出産時の感染症リスクの有無も調べることができます。 ¥33,000
ブライダル② 子宮細胞診(医師採取)・経膣超音波・HPV・カンジダ・トリコモナス・淋菌・クラミジア 子宮、卵巣の疾患の早期発見を目指した項目をはじめ、妊娠や出産に影響を与える病気をもっていないかどうかなどを調べます。結婚後の方にもお勧めです。初めての婦人科検診としてもおすすめします。 ¥18,150
子宮セット 子宮細胞診(医師採取)・経膣超音波・HPV 子宮頸がん、骨盤内の状態や腫瘍の有無などを調べます。 ¥13,200
婦人科感染症セット カンジダ・トリコモナス・淋菌・クラミジア 性感染症の有無を調べます。 ¥6,050

乳がん検診について

2019年の全国がん登録罹患データによると、女性の部位別の罹患数は乳がんが9万7,142人で1位です。これは女性は生涯で9人に1人が乳がんに罹患することになります。2020年の女性の部位別のがんの死亡数では4位となっています。乳がんの発症は40代から60代にかけてが最も多いと言われており、厚生労働省では40歳以上の女性に対して2年に1度、視触診とマンモグラフィでの検診を行うように、という指針を示しています。ただし、30代以下でも乳がんが発見されるケースもあります。乳がんのリスクが高い人はなるべく早めに乳がん検診を開始することをお勧めします。

乳がんのリスク

乳がんのリスクが高い人とはどのような人でしょうか?

乳がんにはいくつかのタイプがありますが、多くのタイプで女性ホルモンであるエストロゲンが乳がんの発症にかかわっていることがわかってきています。簡単に言えばエストロゲンの分泌される期間が長いほど乳がんのリスクが高まります。

昔に比べて近年は食生活やライフスタイルが変化し、初潮年齢が低下し、閉経年齢が上昇しています。また、この間妊娠回数は減少しており、エストロゲンが長期にわたって分泌されているということになります。初潮年齢が早い人、閉経年齢が遅い人、出産・授乳経験がない人などは乳がんのリスクが高いとされます。また、不妊治療を受けたことがある人、HRT(ホルモン補充療法)を受けたことがある人、ピルを使用している人も同様に乳がんのリスクが高いです。高身長、閉経後の肥満、飲酒習慣、運動不足もリスクが高いとされています。ただし、閉経前乳がんについては肥満者の方がリスクは低いという指摘もあります。

最近、著名人ががんの遺伝的なリスクを理由に乳がん発症前に乳房切除をしたというニュースに触れた方もあるかと思います。一親等(親または子)で、特に若年で乳がんや卵巣がんになった血縁者がいることも高リスクと言われています。原因として、BRCA1、BRCA2という遺伝子の変異が知られています。しかし、これらの変異があるからといって必ずしも発症するとは限りません。遺伝医学などの専門家がいる施設で遺伝カウンセリングや遺伝学的検査を行うことがすすめられています。専門的な精査を行わなくとも母親、姉妹が乳がんになったこともある人は十分な注意が必要なので、20~30代から定期的に検診を受けていただくようおすすめいたします。

乳がんの早期発見のために定期検診を受けることが大事です。また、自己検診の継続も大事です。年齢、リスクの高さを考慮して適切な検査を受けてください。

乳がん検診の種類

乳がんの検診には視触診、マンモグラフィ、乳腺超音波検査などがあります。
代表的な検査に関して説明します。

視触診

視診では、乳房のえくぼやただれの有無、乳房の形の左右の差、乳頭からの分泌物の有無を、目で見て観察します。触診では、指で乳房からわきの下を触って、しこりの有無や大きさ、硬さ、動き方などを確認します。

マンモグラフィ

乳がんの早期発見を目的とした、乳房専用のレントゲン検査装置、または検査法のことです。検査の際は透明な圧迫板で乳房を挟んで厚さ4~5㎝に伸ばした状態で、上下と左右の2方向から撮影をします。乳房を薄く伸ばして撮影することでごく少量の被曝で乳房の状態を撮影することができます。

視診・触診で発見しにくい小さな病変や、超音波検査では発見しにくい微細な石灰化(乳房の一部に微細なカルシウムが付着したもので、乳がんでみられることがあるもの)が白くうつります。高濃度乳房(乳腺の密度が高く、マンモグラフィで白く見える部分が多い状態)とされる場合では、乳腺も白く映るため、病変が存在していても見つかりにくいことがあります。したがって乳腺の発達している40歳以下の年代には、マンモグラフィは向かないといわれています。

また、マンモグラフィは痛いとよく言われます。乳房を圧迫板で挟んで伸ばすため、筋肉質な人、乳房がかたい傾向の人は痛みを感じる場合があります。月経前に乳房が張っているときにも痛みを感じやすいので、時期を考えて検査を予定することもよいかと思います。

乳腺超音波検査

超音波検査とは、超音波を体の一部にあてて、その反射を映像化することで内部の様子を調べる検査です。検査ではゼリーをぬって超音波探触子を乳房にあてて動かしながら映像をモニターにうつしだします。超音波検査では、乳腺は白く、多くの乳がんは黒く写るため、マンモグラフィで高濃度乳房とされる場合では、超音波検査の方が乳がんの発見に役立つことがあります。放射線による被曝の心配がないため、妊娠中でも検査が可能です。

マンモグラフィと超音波検査
どちらがいいのか?

マンモグラフィは石灰化といわれるカルシウムの沈着を見つける能力にたけています。石灰化自体はほとんどが良性なのですが、がん細胞が乳管内に発生して増殖する際に生じる石灰化は、精密検査が必要になります。また、非浸潤性乳がんと呼ばれる、しこりを作らない早期の乳がんの発見にもマンモグラフィが大いに役立ちます。

一方、超音波検査は小さな腫瘤を見つけやすく、しこりを作るがんに対して有効という特徴があります。乳腺や乳管の状態もわかります。被曝の心配もありません。

マンモグラフィと超音波検査は異なるメリットがあるので併用して受けることが理想的です。日本乳癌学会によれば、40歳代の女性ではマンモグラフィと超音波検査を併用することでマンモグラフィ単独で検査を行うよりも多くの乳がんを見つけることができるとわかってきたとしています。しかし、どちらか一方を受けるときは年齢を目安にします。40歳未満は超音波検査、40歳以上はマンモグラフィをメインに考えるとよいでしょう。

当院のマンモグラフィの特徴

当院では3Dマンモグラフィを採用しています。従来の2D検査に加えて3D撮影も可能です。乳房は厚みがある立体ですので、1枚の画像では奥の方の乳腺と重なってしまい、がんが見えにくくなることがあります。3Dマンモグラフィではたくさんの断面画像をみることで、奥まった乳がんも検出可能となります。海外のデータでは、3Dマンモグラフィを用いることで「進行がんの発見率が41%増加した」、「良性疾患を正確に診断する能力が40%向上した」との報告があります。

当院の3Dマンモグラフィで撮影した、乳房の石灰化のモデル像を下記に提示します。

乳房の石灰化のモデル像

密度の異なる5つのブロックの中に模擬の腫瘤と石灰化が入っているモデル像(ファントムと呼びます)
ファントムの上部に模擬の腫瘤が入っており、下部に模擬の石灰化が入っています。

このファントムで通常の2D撮影と3D撮影をすると以下のような画像になります。

2D撮影と3D撮影

3D撮影ではよりクリアな像を得ることができています。

乳房自己検診

月に1度日にちを決めてやってみましょう。

①見る
鏡の前に立って、頭の後ろで手を組み、色や、形を見てください。
くぼみ、ふくらみ、皮膚のただれ、変色、ひきつれはありませんか?
②触る
4本の指で小さく「の」の字を書くように指先で軽くなでるようにしこりの有無を調べてください。
この際にわきの下もよく触ってください。
③つまむ
指で乳頭の根元を軽くつまんで分泌物が出ないかみてください。
特に血の混じったような分泌物は出ませんか?
④横になって
背中の下に低めの枕か畳んだタオルを入れて仰向けに寝て、乳房を触ってしこりがないか調べてください。

乳房やわきの下に異常を見つけたり、乳頭から分泌物が出たり、いつもと違うことがあったら、必ず乳腺科を受診しましょう。

当院でできる乳房検査

セット名 検査項目 説明 料金
マンモグラフィ 2Dマンモグラフィ(2方向) 石灰化を伴う早期がんを見つけることができるうえに、乳房の全体像をとらえやすい検査です。乳房撮影専用のレントゲン装置で乳房を上下・左右に圧迫して撮影します。 ¥6,050
2D+3Dマンモグラフィ(2方向) 従来の撮影(2Dマンモグラフィ)に加え、撮影アームが回転することで、乳房の断面画像を多数作成することができる3D撮影をセットとし、病変の判定が従来以上に容易になっています。 ¥12,100
乳房超音波 超音波で乳房内の腫瘍の有無を調べます。乳腺が発達している人(高濃度乳腺と言われた方)や、若年者(40歳以下)の方にお勧めいたします。放射線による被ばくの危険性はありません。 ¥5,500
乳房セット 2Dマンモグラフィ(2方向)・乳房超音波 ¥9,900