一般人口の8.4%が罹患しており、20-40代の女性に多い頭痛です。典型的には頭の片側だけが、ズキンズキンと脈打つように痛みが数時間から長いと2-3日くらい続きます。頭痛が出ているときは吐き気を感じたり、音や光に過敏になっていつもよりうるさく感じたりまぶしく感じたりします。動くと頭痛が悪化するので、できれば暗い部屋でじっとしていたいような頭痛です。片頭痛の方の3割程度は前兆があるとされており、典型的には頭痛の始まる前にギザギザ、キラキラしたオーロラのようなもの(閃輝暗点(せんきあんてん)といいます)が見えたり、その周囲の視野が欠けたりします。他にも珍しい前兆では言葉の障害が出たり、感覚の麻痺や運動麻痺が出たりすることがあります。
片頭痛による痛みそのものや、吐き気、集中力低下などによって日常生活や仕事にも支障が出ることがあり、困っておられる方も多いと思います。一方で、たかが頭痛と思って市販薬で対応していると、鎮痛薬の飲み過ぎによる頭痛を起こすこともあり、適切な診断と適切な治療が重要です。
治療薬としては頭痛が出たときに使うお薬の他に、発作の頻度が多い人には予防薬を使うこともあります。最近では予防薬として、「CGRP関連抗体薬」という皮下注射の製剤が販売されるようになり、当院でも取りそろえております。実際にご本人に適応できるかは医師の診察のもとで判断になりますので、ご希望される場合はご受診してお気軽にご相談ください。